ゲームで最優先する要素を「探索」に絞った段階で、そもそもこのゲームに合っていないシステムが幾つか出てきました。
そういう「合わなかった機能」を書くことで、どうやって「探索」に集中できるようにしたかを再確認するのが今回の目的です。(明確にしておかないと、すぐ思い付きで自分で立てた方針と逆のことをし始める)
あくまでも自分のゲームにおいて合わなかった機能なので、各システムそのものが良くないというわけではありませんし、他の探索ゲームなら合う機能も多いと思います。
(この記事でストーリーに関するネタバレはありませんが、マップやシステムのネタバレがあります。)
◆どんなシステムを削ったか
具体的には、
・スキルツリー
・メニュー画面での図鑑や説明書
・属性耐性パズル
・クエスト(依頼)
・どこでもセーブ
・敵のユニーク品ドロップ
…は削りました。
どれもマップ探索の集中を削ぐ可能性があったからです。
以下で個別に書いていきたいと思います。
◆スキルツリー
メニュー画面を開いて、スキルツリーで悩むのは楽しい要素です。
しかし、戦闘などでスキルを習得できるようになるたびに何度もメニューを開いてスキルツリーを確認していると、マップ探索のテンポが妨げられてしまいます。
もし長時間どのスキルを取るかで悩むと、何を探索していたのか忘れてしまう可能性すらあります。
制作中に何度かスキルツリーのようなシステムを作ったのですが、どれもゲームに合わず、結果的に全部没になりました。
メニュー画面ではなく、拠点でスキルツリーを確認できるようにする案もありました。
しかし、スキルツリーというシステム自体が複雑化しやすく、拠点で長時間悩む要素も減らしたかったため、最終的にスキルは最もシンプルな「レベルで習得」にしました。
そして、スキルツリー廃止によって育成の自由度が減った代わりに、仲間の数を増やすことでパーティ編成の自由度を高めるようにしました。
仲間もコレクション要素の一つにすれば、探索の動機を増やすことにも繋がります。
システム自体は「理智の間」に引き継がれています。
スキルツリーのような枝分かれ形式をやめて単純化。
どれを取っても問題がないように、一つ一つの効果も抑えめにしました。
スキルポイントに当たる「理智のジェム」はボスを倒すと手に入ります。
ボスを倒した後は拠点に戻ることが多いはずなので、そこで好きなものを適当に選んでもらい、すぐ探索に戻る…というパターンを想定しています。(数が多いので最初は色々と見る時間が出来るかもしれませんが…)
また、「理智の間」で得られる能力のほとんどが、探索の補助やフレーバーのために存在しており、一つも習得しなくてもクリアできるように作りました。
あくまでも、自分の好きなものを選べるようにして、悩む要素を減らすためです。
◆メニュー画面での図鑑や説明書
メニューで図鑑や説明書が確認できると便利!…なのですが、探索に集中するという意味ではイマイチ合っていませんでした。
スキルツリーと同様に、新しい敵や新しいアイテムを入手するたびに図鑑を確認してしまう可能性があるからです。
図鑑埋めはこのゲームのメイン要素ではなく、アクセスが良すぎることで常に意識してしまうような状態は避けたかったので、メニューから外しました。
その代わり、「戦利品ログ」を導入しました。
この機能によって、手に入れたアイテムを毎回確認する必要性を減らし、探索の流れが断ち切られにくくなることを狙っています。
説明書に関しても、図鑑と同じようにマップ探索中に読むことに時間を使ってしまうことを避けたいので、没になりました。
そもそも、これ系の説明書は一度読んだら見返すことは少ないですし、自分がプレイする時に読んだことがないという理由も大きいです。
図鑑と説明書の機能自体は、拠点の「知識の像」に引き継がれました。
探索に疲れた時などに、ふと気分転換で眺めるくらいの位置に置いておくのが良いかな、という判断です。
状態異常だけは、どうしても探索や戦闘中に確認する必要があり、解決方法が思いつかなかったので、付属の画像ファイルとして添付しました。
探索を主軸に置くならば、状態異常の数はもっと少なくして、効果も分かりやすいものにすべきだったと思います。(気が付いたら増えていて削れない段階まできていた)
なお、図鑑と説明書の機能をメニューから外したことで、メニュー画面がスッキリするという副次的な効果もありました。
◆属性耐性パズル
同系統のゲームによくある属性耐性パズルも削りました。
本来、属性耐性パズルは同系統の探索RPGに合っているシステムだと思います。
道を塞ぐボスを「鍵付き扉」としたら、探索で得た属性耐性装備は「鍵」(あるいは鍵のパーツ)です。低レベルクリアは技術を駆使した「ロックピック」に当たると思います。(レベリングは「扉をブチ破る」だと思う)
探索で「鍵」を見つけて、「ロックピック」さえ出来れば、低レベルでも「鍵付き扉」を開けることが出来る、画期的なシステムだと思います。
しかし、今回の自分のゲームでは探索の比重が大きく、戦闘の優先度が高くないため、ガチガチのパズルビルドは合っていませんでした。
レベリングをせずに探索で「鍵」に当たる装備を手に入れたとしても、「何度も全滅してパターンや属性を確認して正しいビルドを組む」という「ロックピック」の部分が出来なかった場合、そこでプレイが止まってしまうかもしれません。
そうでなくても、レベリングや長時間の試行錯誤が必須になってしまい、「探索がしたかったのに、雑魚狩りやビルド組みばかりやらされてる」という状況が発生してしまいます。
なので、道を塞ぐボスのほとんどが、主要キャラに1~2個の属性や耐性を意識した装備を着けておくだけで、クリアできるように調整しました。
属性や耐性の対策は、あくまでも戦闘を「有利にする」程度の効果で、アイテムや敵に合った仲間を使えば、有効な装備品がなくてもクリアできると思います。
その代わりに、道を塞ぐボスではなく本来の意味での鍵付き扉を多く配置し、探索で鍵を見つけたら即通れるようにしました。
探索さえしていれば、確実に前に進むことが出来るので、今回のゲームで通行を制限する方法としては、こちらの方が合っていました。
その2へ続きます。